2022年10月20日 更新
長野県伊那市(市長:白鳥 孝、以下 「伊那市」)は、パワーアシストスーツ(装着型サイボーグHAL®(別紙参照))を活用して、高齢者等の身体機能の改善や生活意欲の向上を通じ、地域生活における健康増進および生活の質(QOL)向上を図る目的で、令和4年度パワーアシストスーツを活用した健康増進事業(以下、「本事業」)を開始いたします。
本事業は、伊那市からの委託を受けて、丸紅伊那みらいでんき株式会社(本社:長野県伊那市、代表取締役社長:肥沼 光彦)が推進し、パワーアシストスーツを活用した随意運動プログラムの策定・実証を行います。使用するパワーアシストスーツは、CYBERDYNE株式会社(本社:茨城県つくば市、代表取締役社長:山海 嘉之)が開発した、人の脳神経と筋系を繋ぐことで、装着者の意思に従った動きを実現し、着るだけで人をサイボーグ化する世界初の「HAL®(別紙参照)」です。
近年、少子高齢化の進行に伴い、高齢者数・高齢化率は増加傾向にあり、伊那市においては高齢化率が30%を超えています。本事業では、住み慣れた地域で生きがいを持って暮らし続けることができるように、高齢者による自立支援や外出機会の創出を目指します。
高齢者の外出を阻害する要因の中で最も多い「足腰などの痛み」(下表参照)に対して、HAL®を使用することで運動を無理なく繰り返し行うことで、運動を通じた痛みの軽減、身体機能の維持・向上や自立度向上を促します。
随意運動プログラムは、HAL®を装着した状態で、装着者の意思に従った立ち座り運動やスクワットなどの簡単な体幹運動を実施いただく予定で、教室等における複数人を対象とした集団運動プログラムと、希望者に機器を貸出して個人宅で行う個人運動プログラムを実施します。その他、介護する家族などの労力を軽減する介護者向けプログラムを含めての3種類を準備しています。
■受託会社:丸紅伊那みらいでんき株式会社
伊那市内の公共施設を対象として2019年度より電力供給を開始し、再生可能エネルギーの導入・地産地消を促進するとともに、丸紅グループのビジネス開発ノウハウを活用しながら地域課題の解決に向けた地域密着型ビジネスにも取り組んでいます。本事業を通じて、伊那市の社会課題となっている高齢者による自立支援や外出機会の創出に貢献することを目指します。
■パワーアシストスーツ開発会社:CYBERDYNE株式会社
『人』+『サイバー・フィジカル空間』を扱う「サイバニクス技術」(人・ロボット・情報系の融合複合技術)を駆使し、人とテクノロジーが共生し相互に支え合う「テクノ・ピアサポート」の実現、社会変革・産業変革の実現に挑戦する未来開拓企業です。
<別紙>
装着型サイボーグHAL®
HAL®(Hybrid Assistive Limb®)は、人の脳神経と筋系を繋ぐことで、装着者の意思に従った動きを実現し、着るだけで人をサイボーグ化する世界初の技術です。
人が体を動かそうとすると、指令信号が脳から神経を通じて筋肉へ送られ、その動作を実現するように筋肉が動きます。その際、微弱な「生体電位信号」が皮膚表面から漏れ出てきます。 これをHAL®が皮膚に貼ったセンサーで読み取り、「装着者の意思」に従い動きを実現します。
HAL®腰タイプを使用することで、自分で立ち上がったり、動いたりすることが難しい方でも、過剰な負担なく体を動かすことができます。また、モニターに装着者の体から出る様々な情報を表示させることも可能です。自分の運動意思と同期した随意運動を無理なく繰り返し行うことで、身体機能の維持・向上や自立度を高めることが期待できます。
センサー貼り付けを行わなくても使用できるモードもあり、重作業などの介護動作を行う装着者が気軽に素早く装着することも可能です。
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