2015年02月16日 更新
当社は、新製品『HAL®作業支援用(腰タイプ)』について、欧州機械指令(*1)に本日付(2015年2月16日)で適合し、作業者向けの装着型ロボットとしては世界初となるCEマーキングが可能となりました。これにより、HAL®作業支援用(腰タイプ)が、日本と同様に少子高齢化に直面する欧州全域で自由に流通・販売できるようになり、2015年3月中にもドイツへの初出荷を予定しています。なお、日本国内においては、2014年9月30日のリリース以降、建設業・物流業・製造業を中心に受注が好調で、今年度中に100台近くを見込んでいます。
HAL®作業支援用(腰タイプ)は、重量物を持ったときに腰部にかかる負荷を軽減することで、腰痛を引き起こすリスクを減らしながら作業支援を行うことを目的として、従来の医療・福祉用HAL®と同様にサイバニック随意制御(*2)を用いて、作業者の意思に従ったアシスト量と作業に応じて指定した補助率で作業者の思った通りに動作をアシストするため、作業者が重量物の重さを感じながら安全で自然な作業動作が可能となります。さらに、コンパクトな軽量モデル(2.9キロ)であるため、長時間装着したままで通常の日常業務も行えます。
当社は2004年に筑波大学発ベンチャーとして設立されて以来、安全を最優先に革新的な技術を駆使したロボットスーツHAL®の開発とその社会実装に取り組んでまいりました。当社は2013年7月にロボットスーツHAL®医療用(下肢タイプ)に対する医療機器としてのCEマーキング(CE0197)を、ロボット治療機器として世界で初めて取得し、また2014年11月にHAL®作業支援用(腰タイプ)及びHAL®介護支援用(腰タイプ)に対する生活支援ロボットの国際安全規格ISO 13482:2014(*3)の認証を、作業者向け装着型ロボットとして世界で初めて取得いたしました。これらの活動で得られたノウハウを基に、今回のHAL®作業支援用(腰タイプ)のCEマーキングに至りました。
当社はこの度のHAL®作業支援用(腰タイプ)に対するCEマーキングをきっかけに、欧州ひいてはグローバル市場における作業者向け装着型ロボット市場を開拓し、世界の重作業分野における労働安全衛生水準の向上に貢献いたします。
(*1) 欧州機械指令(Machinery Directive, 2006/42/EC)について
機械が満たすべき必須健康安全要求事項が定められています。ある製品がこの必須健康安全要求事項を満たしたとき、初めてCEマーキングが可能となります。EN ISO 13482:2014は欧州機械指令に整合されており、EN ISO 13482:2014に適合することで、必須健康安全要求事項の多くを満たすことができます。HAL®作業支援用(腰タイプ)は、自己適合宣言が認められているカテゴリの機械になります。
(*2) サイバニック随意制御
人が体を動かそうとする際、その運動意思は微弱なイオン電流の神経系指令信号として、脳、脊髄、運動神経、筋肉へと伝達され、最終的に筋骨格系が動くことになります。その際、微弱な生体電位信号が皮膚表面にも到達してくるので、これを検出できれば運動意思を捉えたことになります。HAL®はこの微弱な生体電位信号を検出し、これを活用して機能します。これにより、装着者が身体を動かそうとすると、その運動意思に応じてHAL®が駆動します。
(*3) ISO 13482:2014について
ISO 13482:2014, “Robots and robotic devices — Safety requirements for personal care robots” は、2014年に国際標準化機構(ISO)から正式発行された生活支援ロボット(personal care robot)の安全性に関する唯一の国際規格です。当社はISO 13482の標準化提案活動に参加しています。
参考)
プレスリリース資料
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