2016年10月12日 更新
当社が研究開発、製造、販売を手がけ、社会実装を推進している、脳・神経・筋系の機能改善・機能再生治療を実現する革新的ロボット治療機器「医療用HAL®」(HAL医療用下肢タイプ)が、「ロボット大賞」を初の厚生労働大臣賞として受賞することが決定いたしました。表彰式は10月19日(水)に東京ビッグサイトにて執り行われます。
「医療用HAL®」は、2016年10月現在、日欧で医療機器として認証・承認されています(*1)。ドイツでは公的労災保険の適用、日本では公的医療保険の適用にもなっており、日欧で治療に用いられています。さらに、ドイツにおける公的医療保険、アメリカにおける医療機器承認についての手続きが進んでいるほか、脳卒中等を含め、承認範囲・適用範囲を拡大するための治験、及び、再生医療や医薬品との組み合わせによる新たな医療技術の研究開発も始まっています。そして、脳・神経系と筋骨格系の両方の状態を診ながら患者を治療することのできる医療用HAL®は、治療と評価の両方を押さえることができるため、新たな医療技術のプラットフォームとなることが期待されています。
「医療用HAL®」は、ビジネス・社会実装部門/介護・医療分野において、ロボット大賞(厚生労働大臣賞)の受賞となりました(評価ポイントは下記の通り)。
【評価のポイント】※ロボット大賞事務局のHPより抜粋
『進行抑制治療において歩行機能を改善する医療機器として承認を得るなど、ロボット医療機器の実用化成功例である点が高く評価された。海外も含め他社を追随させない高い技術により、これまで有効な治療方法が無かった進行性の希少難病の患者において、歩行機能の改善効果が認められた功績は大きい。』
【(*1)医療用HAL®について】
「医療用HAL®」は、2013年に脳・神経・筋系疾患患者の治療を行う世界初のロボット治療機器として、欧州の医療機器認証(Notified Bodyによる医療機器指令への適合;医療機器CEマーキング認証)を受けました。ドイツでは、脊髄損傷等の患者を対象とする治療に対して、その費用全額が公的労災保険の適用となっています。日本では、緩徐進行性の神経筋難病疾患(脊髄性筋萎縮症、球脊髄性筋萎縮症、筋萎縮性側索硬化症、シャルコー・マリー・トゥース病、遠位型ミオパチー、封入体筋炎、先天性ミオパチー、筋ジストロフィー)患者の治療のための医療機器化を目的とする医師主導治験を経て、2015年11月に医療機器として薬事承認、2016年4月に公的医療保険の保険収載金額が決定となりました。
【HAL®について】
HAL®は、装着者の脳・神経系からの動作意思を反映した微弱な生体電位信号で機能するサイバニック随意制御系、姿勢や重心バランス等の装着者の動作情報を人工知能処理し機能するサイバニック自律制御系、装着者の人間特性に適応調整されるサイバニックインピーダンス制御系、及び、これらを組み合わせたサイバニックハイブリッド制御系等で構成される革新的サイバニックシステムです。
脳・神経系からの指令信号を活用するHAL®を装着することで、動作意思に従った運動を実現すると同時に、運動に連動した感覚神経系信号が脳へとフィードバックされます。これにより、装着者の脳・神経系と身体との間にHAL®が介在することでインタラクティブなバイオフィードバック(iBF: interactive BioFeedback)が構築され、脳・神経系の適応・再学習、身体機能の改善・再生が促されます。
【ロボット大賞について】
ロボット大賞とは、将来の市場創出への貢献度や期待度が高いと考えられる、特に優れたロボット等を表彰する制度です。今回の第7回より、経済産業省と一般社団法人日本機械工業連合会を幹事として、総務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、国土交通省の共催となり、ものづくり分野、サービス分野、介護・医療分野、インフラ・災害対応・建設分野、農林水産業・食品産業分野などの幅広い分野が受賞対象となりました。それに伴い新設された厚生労働大臣賞の栄えある第一号の表彰に、「医療用HAL®」が選ばれました。
(リンク)
ロボット大賞 http://www.robotaward.jp/winning/index.html#R04
Japan Robot Week 2016 http://biz.nikkan.co.jp/eve/s-robot/heisai.html
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